生理前や妊娠中は肌荒れが起きやすくなりますが、この変化は、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンのバランスが大きく影響しています。
今回は、女性ホルモンが肌に及ぼす影響やホルモンバランスの整え方、スキンケアのポイントについて、詳しく見てみましょう。
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肌の調子を左右!2種類の女性ホルモンの特徴
2つの女性ホルモンのうち、プロゲステロンは妊娠しやすい状態を維持する女性ホルモンで、生理前に分泌量が増加します。プロゲステロンは皮脂の分泌量の増加やメラニン色素の生成を活性化する作用があり、肌トラブルが起こりやすい状態の原因になります。また、生理前にイライラしたり、体がむくみやすくなるのも、このプロゲステロンが原因です。
エストロゲンは肌のハリや潤いを保つ
もう1つの女性ホルモンであるエストロゲンは、女性らしさを維持するホルモンで、生理後に分泌量が増加します。エストロゲンは抗酸化作用が強く紫外線のストレスから肌を守ってくれますし、コラーゲンの生成を促して肌のハリや弾力を維持する働きもあります。
妊娠期間や更年期はホルモンバランスが崩れやすい
生理が続く限り、生理前にはプロゲステロンの分泌量が増加して、生理後にはエストロゲンの分泌量が増加するというサイクルは変わりません。
2つの女性ホルモンのバランスが重要
これらの女性ホルモンの分泌量の周期に応じて肌状態が変化するのはもちろん、プロゲステロンの分泌が増加した状態が続く妊娠時や、エストロゲンをはじめとする女性ホルモンの分泌量が一気に低下する更年期も肌トラブルが起こりやすくなります。
すこやかな肌を維持するためには、2つのホルモンバランスが整っていることが不可欠となります。
まずは規則正しい生活習慣を!
ホルモンバランスを整えるためには、規則正しい生活習慣と身体を冷やさないようにすることがポイントとなります。
女性ホルモンを含む全てのホルモンは、体内時計によってコントロールされているので、規則正しい生活習慣はホルモンバランスを整えるためには欠かせません。朝起きたら日の光を浴びて体内時計をリセットするように心がけましょう。
身体を冷やさないようにする
身体の冷えは卵巣の血流を低下させて、女性ホルモンの分泌を妨げる働きがあります。入浴するときにはしっかり湯船につかる、室内では腹巻きやインナー、靴下を着用するなど、身体を冷やさないことを心がけてください。また、ウォーキングやヨガ、ストレッチなどご自身の取り組みやすい運動を普段の生活に取り入れて、血流をよくするように心がけましょう。
生理周期に合わせたスキンケア
生理前や妊娠時はプロゲステロンの分泌量が増加することで、敏感肌や皮脂量が増えて悩む時期ですが、肌のためにと思ってさまざまな化粧品などを使用すると、かえって肌に負担をかけることにもなります。生理周期に合わせて、肌に優しい洗顔料で余分な皮脂を取ったら、シンプルケアを心がけましょう。
生理後はエストロゲンの分泌量が増えて肌は安定した状態になるので、ピーリングや酵素洗顔などのスペシャルケアに最適のタイミングとなります。
更年期にはアンチエイジングケア
更年期はエストロゲンの分泌量が低下してコラーゲンの生成量が低下したり、紫外線ダメージに弱くなるので、早め早めにアンチエイジングケアや紫外線ケアに取り組みましょう。
エストロゲンの分泌量の低下は、シミやシワができやすくなる原因となるので、エストロゲンに似た働きをするとされるイソフラボンを多く含む豆腐や納豆、豆乳などの大豆食品を積極的に取るのが手軽にできるアンチエイジングケアの一つです。
おわりに
女性ホルモンは肌だけでなく、良くも悪くも女性の体の健康全般に関わっていますので、その働きを理解してうまく付き合っていくことが大切です。女性ホルモンと仲良くなって肌トラブルからの開放を目指しましょう。
化粧品関連メーカーにて、化粧品に配合されるエキスの開発や薬事申請業務に従事しました。現在はフリーライターとして、美容関係の記事を執筆しています。
得意分野は肌トラブルの原因と対策方法の解説、化粧品に配合される成分の解説です。2016年に日本化粧品検定1級を取得。
大の広島カープファンで趣味は野球観戦です♪