化粧品を買いにお店に行くと、同じ売り場で売られている似たような商品でも、「化粧品」と記載されているものや「医薬部外品」または「薬用化粧品」と表示されているものがあります。実はこれ、医薬品医療機器法という法律で定められているグループです。
今回は、化粧品と医薬部外品、医薬品の違いと、それぞれの特徴を見てみましょう。
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三つの違いは医薬品医療機器等法で定義されている
医薬品と医薬部外品、化粧品がどのようなものかは、「医薬品医療機器法(薬機法)」という法律でそれぞれ定義づけられています。
薬機法ではこの三つ以外にも、医療機器と再生医療等製品、指定薬物の6種類について定義・規制をしていて、日本国内で医薬品やそれに類するものを開発・販売するときに厳守するべき法律とされています。
薬機法の前身となる「薬事法」
従来の医療用具の製造・販売の許認可には、医薬品とほぼ同等の規制が敷かれていました。しかし医学や電子工学などの発達により心電図や人工呼吸器、コンピュータ断層撮影(CT)やMRIといった機械が登場したことなどで見直され、薬事法を大幅に見直したのが薬機法です。
医薬品は病気の治療などを目的とするもの
医薬品とは、病気やけがをしたときに、それを治療したり症状を和らげたりするものです。
医療用医薬品と一般用医薬品に分かれている
医薬品は、病院などで医師の処方箋を下に受け取ることができる医療用医薬品と、ドラッグストアなどで簡単に購入できる一般用医薬品の二つに大きく分類されます。
医薬部外品は人体に対して緩和な作用があるもの
医薬部外品は、実にさまざまな製品があり、製品には「医薬部外品」と表示することが定められています。ここではスキンケアなどに使う製品とその他の製品に分けてそれぞれ紹介していきます。
化粧品との違いは有効成分!薬用化粧品とも呼ばれる
スキンケアやメイクで使用する石けんや化粧水、クリーム、ファンデーションなどは、薬用化粧品と呼ばれています。薬用化粧品と化粧品の最大の違いは、有効成分が配合されているかどうかです。有効成分と言っても、医薬品のような強い効果は無く、「人体に対する作用が緩和なもの」と定義されています。
薬機法の定める「薬用化粧品」
- 美白ケア…日焼けによってできるシミやソバカスを防ぐ効果があるトラネキサム酸やアルブチン、ビタミンC誘導体などの有効成分を配合した薬用化粧品
- ニキビケア…抗炎症作用のあるグリチルリチン酸ジカリウムや殺菌作用・角質柔軟作用のあるサリチル酸などのよう浮こう成分を配合した薬用化粧品
- シワ…2017年に国内で初めてシワの改善効果のある薬用化粧品が認可されました。有効成分としてはニールワンやレチノールが配合されているもの
- 薬用石けん…薬用石けんには体臭を防ぐ、皮膚の殺菌・消毒といった効能が認められているもの
薬用化粧品以外の「医薬部外品」
薬用化粧品以外には、主に以下のような製品が医薬部外品として定められています。
薬機法の定める「医薬部外品」
- 薬用歯磨き類…薬用歯磨き、マウスウォッシュなど
- その他人体に使用するもの…育毛・除毛剤やてんか粉類(ベビーパウダー)、パーマ・カラーリング剤、浴用剤、コンタクトレンズ用消毒剤など
- 肌荒れや消毒用製品…消毒剤、軟こう、ばんそうこうなど
- ビタミン剤など…各種健康ドリンクなど
- 忌避剤など…殺虫剤や農薬、忌避剤など
化粧品は皮膚や髪の毛を美しく見せるもの
化粧品は「人の体を清潔にする、美化する、魅力を増す、容貌を変える、皮膚や毛髪を健やかに保つもので、人体への作用が緩和なもの」と定義されています。具体的には化粧水やクリーム、口紅、マニキュア、歯磨き粉、石けんなどが該当します。
スキンケア化粧品とメイクアップ化粧品がある
化粧品には有効成分が配合されていないので、美白効果などを宣伝することはできません。また、使用方法は「体に塗擦、散布その他これらに類似する方法」と限定されていますので、かつらや美容飲料などは化粧品には分類されません。
おわりに
いかがでしたか?医薬部外品と化粧品にはそれぞれの良さがあります。そのときの肌の状態に合わせて賢く使い分け、美しく健康な肌をキープしていきましょう!
化粧品関連メーカーにて、化粧品に配合されるエキスの開発や薬事申請業務に従事しました。現在はフリーライターとして、美容関係の記事を執筆しています。
得意分野は肌トラブルの原因と対策方法の解説、化粧品に配合される成分の解説です。2016年に日本化粧品検定1級を取得。
大の広島カープファンで趣味は野球観戦です♪