ニキビといえば顔や背中にできる印象が強いですが、意外とできやすいのがおしりです。しかもおしりニキビは一度できると治りにくい傾向があるので、ニキビ痕になったらきれいなおしりが台無しですよね。
今回は、おしりニキビの原因や自宅でできるケア方法、皮膚科での治療について詳しくレクチャーしていきます。
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おしりニキビの原因はおしりの環境に左右される
意外に思われるかもしれませんが、おしりは皮脂の分泌量も多く、毛穴に皮脂がたまりやすい場所です。また、角質層が厚いので、毛穴の出口がふさがれやすい場所でもあります。
皮脂分泌量が多く角質層が分厚い
ニキビは角質でふさがれた毛穴に皮脂がたまり、アクネ菌が増殖することで起こる皮膚トラブルなので、毛穴に皮脂がたまりやすいおしりには他の部位よりもニキビができる要因がそろっていると言えますね。
衣類が重なっているからムレやすい
下着やレギンス、ストッキングなどをはいているので、おしりは常にムレた状態が続いてしまいます。ムレた状態が続くと雑菌が繁殖しやすいので、おしりニキビの原因菌の増殖も促されて、ニキビができやすくなってしまいます。
せっけんのすすぎ残し
入浴したときのせっけんやシャンプーなどがきちんと洗い流せていないと、せっけんカスが刺激になってニキビの原因に。おしりに限らず、入浴して体を洗ったら、すすぎ残しがないようにしっかりと洗い流しましょう。
下着などの締め付けや摩擦によるダメージ
下着やストッキングで肌がムレるだけでなく、締め付けたりこすれたりしますよね。また、デスクワークの方などは長時間イスに座っていることでおしりがすれてしまうことも多いと思います。
こうした摩擦が続くと、ニキビが治りにくくなって悪化する原因にもなります。つまり、おしりはニキビができやすく治りにくい場所です。
自宅でできるおしりニキビのケア方法
ニキビができやすいおしりですが、ちょっとした心がけやケアにより、比較的簡単に対策することができます。
通気性の良い衣類を選ぶ
おしりニキビの原因であるムレやすい環境を改善するために、衣類の選び方を変えてみましょう。通気性の良い綿の下着を選ぶことが重要ですが、レギンスやぴったりとしたパンツを避けて通気性の良いものを履くと、おしりニキビの予防になりますし、悪化も防ぐことができますよ。
角質ケアをする
角質ケアをして古い角質の排出を促して毛穴のつまりを防ぐことも、おしりニキビ対策として効果的です。おしりニキビはもちろん、お知りのザラつきが気になる方は、ピーリング効果のあるせっけんやスキンケア化粧品を取り入れるのもおすすめですよ。
ペリカン石鹸 恋するおしり ヒップケアソープ
こちらは女性の注目を集めているおしり専用のせっけん。直接おしりにあててクルクルとなで洗いをすると、スクラブ成分とピーリング成分が古い角質を落としてくれます。さらに保湿成分も配合されていて、必要なうるおいを守ってくれるのできれいなおしりを保ちたい方にはおすすめのアイテムです。
保湿成分や抗炎症成分配合の化粧品でケアをする
おしりニキビのケアや予防には、有効成分を配合した薬用化粧品を取り入れるといいでしょう。また、肌の乾燥は新陳代謝を遅らせて古い角質がたまりやすくなるので、保湿ケアも入念にしましょう。
皮脂分泌の多いおしりには、クリームのようなコクのあるものよりも、比較的さっぱりした化粧水や乳液タイプのアイテムがおすすめです。
第一三共ヘルスケア クリアレックス Wi
クリアレックスWiは、殺菌成分と消炎成分を配合したボディーソープ。殺菌成分配合と聞くと肌への刺激が強そうに感じますが、こちらは低刺激処方でアレルギーテストも実施されているので、肌に優しい点も魅力です。
ロート製薬 肌ラボ 薬用極潤スキンコンディショナー
肌ラボのニキビケアラインの化粧水である薬用スキンコンディショナーは、グリチルリチン酸とイプシロンアミノカプロン酸の2つの有効成分が配合されており、ニキビや肌荒れをケアしてくれます。さっぱりタイプとしっとりタイプがあるので、ご自身の肌質に合わせて選べるのもうれしいですね。詰め替えタイプもあるので、惜しみなく使えるのでおしりのケアにもぴったりですよ。
花王 ビオレU ボディケア うるおいミルク
こちらのボディー用保湿乳液は、赤ちゃんにも使える低刺激処方なので、揺らぎやすいお肌でも安心いて使えるのが魅力。ポンプタイプで使いやすい上に、のびが良くおしりもさっとひと塗りでケアできちゃいます。おしりのカサつきが気になる方は、しっとりとした乳液でのケアがおすすめですよ。
市販のニキビ薬を使う
おしりニキビができてしまったら、スキンケアだけで完治するのは簡単なことではありません。まずは市販のニキビ薬を使ってケアしてあげましょう。
第一三共ヘルスケア クロマイ-N 軟膏
こちらは第一三共ヘルスケアより発売されている体用のニキビ薬。身体にできるニキビは、アクネ菌だけでなくカビの一種(真菌)が原因の可能性もあるのですが、クロマイ-N軟膏には市販薬で唯一、抗真菌成分が配合されているんです。おしりニキビはもちろん、背中やデコルテのブツブツにも使えるので、ひとつ持っておくと便利ですよ。
ガンコなおしりニキビには皮膚科の診察を受けよう
悪化しやすく治りにくいおしりニキビは、専門のお医者さんに診てもらうのが一番。専門機関での治療には保険適用での治療と保険適用外の治療があります。それぞれの治療法について見ていきましょう。
保険診療の基本は飲み薬と塗り薬!
皮膚科でのニキビの治療の基本は飲み薬と塗り薬になります。飲み薬には、皮脂分泌をコントロールするビタミンB6やビタミンB12と言ったビタミン剤や、抗生物質が処方されています。
塗り薬には抗生物質や角化調節作用(角質による毛穴の詰まりを防ぐ)のある成分や抗炎症成分、殺菌作用や皮脂抑制作用のある成分を配合した薬が処方されます。
保険適用外治療になるピーリングや光治療
保険適用外の治療には、薬品の酸の力で古い角質を除去するピーリングやフォトフェイシャル、赤外線治療などの光治療があります。特にピーリングはニキビだけでなくニキビ跡の治療にも採用されていて、日本皮膚科学会でも独自のピーリングガイドラインを制定しているほどです。
ただし、保険適用外の治療はどうしても高額になるので、話をしっかりと聞いて治療を受けるかどうか判断しましょう。
おわりに
おしりニキビの原因は特徴的なので、ポイントを押さえて対策をすれば予防や改善の効果はできやすいと思います。いずれにしてもニキビができてしまったら早めのケアが何より大切。お風呂上りなどには鏡でこまめにチェックをし、お肌の変化を見逃さないようにしましょう。
化粧品関連メーカーにて、化粧品に配合されるエキスの開発や薬事申請業務に従事しました。現在はフリーライターとして、美容関係の記事を執筆しています。
得意分野は肌トラブルの原因と対策方法の解説、化粧品に配合される成分の解説です。2016年に日本化粧品検定1級を取得。
大の広島カープファンで趣味は野球観戦です♪